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宮崎地方裁判所 昭和38年(む)363号 判決 1963年11月26日

被疑者 桃井昇典 外二名

決  定

(被疑者氏名略)

主文

昭和三八年一一月二五日宮崎地方検察庁検察官渡辺正之がなした「弁護人三浦久、同吉田孝美と被疑者桃井昇典、同竹本虎雄、同野口正次との各接見等の日時及び時間を各人についていずれも昭和三八年一一月三〇日に各一五分間と指定する」旨の処分を次のとおり変更する。

「弁護人三浦久、同吉田孝美と被疑者桃井昇典、同竹本虎雄、同野口正次との各接見等の日時及び時間を各人についていずれも昭和三八年一一月二六日又は同月二七日に各二〇分間と指定する」

理由

本件申立の趣旨及び理由は別紙申立書のとおりである。

よつて考えるに、検察官は刑事訴訟法第三九条第三項により被疑者と弁護人との接見交通をその捜査の必要上から制限することができるけれども同項但書の趣旨ならびに本件事案の性質に鑑み、検察官渡辺正之のなした指定は被疑者等の身柄拘束の日(被疑者桃井については昭和三八年一一月二一日同竹本については同月二二日同野口については同月二三日)からみると同月二二日から二三日にかけて各一回ずつ接見した事実があるとしても遅きに過ぎるものというべくこの間接見交通を禁止することはひつきよう被疑者等の防禦の準備に不当の制限を加えるものといわなければならない。よつて右検察官の処分の取消変更を求める趣旨の弁護人の申立は理由があるので刑事訴訟法第四三二条第四二六条第二項により主文のとおり決定する。

(裁判官 塚田武司)

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